伝票記載の基本ルールを徹底解説!伝票の種類や作成方法もチェックしよう
伝票は、企業経営の軸となる重要な仕事です。ただし、単に入金や出金の情報を記録すれば良いというわけではありません。内部だけでなく、外部に正しい情報を伝えるために重要です。
今回は、伝票記載の基本ルールや記録時の注意点を確認しましょう。
伝票記載の基本ルール
伝票を記載する際に気をつけたい基本ルールには、次のようなものがあります。
- 正確性を重視する
- 第三者の承認を受ける
- 元帳や補助簿に転記する
- 文書の管理に注意する
正確性を重視する
日々のお金の流れを記録する伝票の起票は、正確でなければいけません。正確な情報を記載するには、事実に基づいていることを証明するのが重要です。たとえば、会社の備品や接待で支払いを済ませた時は、領収書が証明になります。こうした取引の事実を証明する書類が、証憑(しょうひょう)です。
具体的には、領収書以外に請求書や注文書、納品書、支払い証明書などが挙げられます。証憑と似た言葉に帳票があります。帳票は、入金伝票や出金伝票、現金出納帳など会計に関する帳簿や伝票といった書類のことです。実は、取引を記録した入金伝票や出金伝票も証憑に該当します。
また、正確に記録するために起票はボールペンを使用しましょう。簡単に消せないボールペンの使用により、書き直しや内容の改ざんなどのトラブルを防ぐことが可能です。会計システムで管理している場合は、入力者も細かく記録できます。業務効率化も実現でき、限られた人材でも正確に起票できます。
第三者の承認を受ける
伝票を手書きする企業も多いはずです。ただ人間にはミスは付きもので、正確に起票したつもりでも誤った情報を記載してしまうことがあります。
伝票の正確性を保ちたいなら、起票した別の人が確認するなどミスを発見できるプロセスを整えることが大切です。たとえば、手書きの伝票の場合は、経理担当者の上司が確認して承認印を押す方法があります。
元帳や補助簿に転記する
起票したらお金の流れをまとめて記録するため、元帳や補助簿に転記することが求められます。元帳は簿記の軸となる主要帳簿で、勘定科目ごとに増減を記入するものです。
補助簿は主要帳簿を補助するために作成される家計簿を指します。手書きの伝票は起票したあと第三者による確認を終えたら、元帳や補助簿への転記作業へと進めるのが一般的です。
文書の管理に注意する
伝票は、起票したら終わりではありません。文書の管理にも十分に注意する必要があります。実は伝票の保存期間は会社法で定められており、申告書を提出してから7年間保管しなければいけません。
欠損金が生じた事業年度においては、10年間の保管が義務付けられています。あらゆるリスクを防ぐために施錠できる場所に保管することが重要です。
伝票の種類
伝票にはさまざまな種類があります。各伝票によって役割や項目が変わるため、取引の内容に応じて使い分けることが求められます。伝票の主な種類には、次のようなものが挙げられます。
- 入金伝票
- 出金伝票
- 振替伝票
- 仕入伝票
- 売上伝票
入金伝票
商品やサービスの提供により、会社にお金が入る取引を記録するものです。入金伝票と似たものに仕訳伝票がありますが、現金や銀行口座など入金状況で区別するのが一般的です。
たとえば、現金でのやり取りは「入金伝票」、銀行口座への振込は「仕訳伝票」で使い分けます。伝票は赤色の線で印刷されており、一目で入金伝票とわかるのが特徴です。
出金伝票
会社のお金で支払う取引を記録するものです。たとえば、電車やタクシーなどの交通費、職場で使う備品や書籍などの購入費などが該当します。伝票は、正確な情報であることを証明する領収書を基に記録するのが一般的です。
しかし出金伝票は、事実を口頭で説明できれば、領収書が発行されない支払いに対しても処理することができます。
振替伝票
銀行振込や振込手数料など現金以外での方法で取引があった場合に用いられるものです。入金伝票と出金伝票は勘定科目が決まっていますが、振替伝票は取引内容で異なります。
伝票の構造は仕訳帳と似ており、左側に「借方科目」、右側に「貸方科目」を記録するのが一般的です。記録するタイミングは、取引が成立した時点で振替伝票を作成します。
仕入伝票
仕入れに関する取引を記録するものです。5伝票制の伝票式会計を採用している場合に使用されます。5伝票制とは、入金伝票・出金伝票・振替伝票・仕入伝票・売上伝票の5つの伝票を用いて、取引内容を記録する伝票制のことです。
元帳に転記する場合は、借方の勘定科目は「仕入」、貸方の勘定科目は「買掛金」と決められています。
売上伝票
売上が発生した際に記録するものです。5伝票制の伝票式会計を採用している際に使用されます。元帳に転記するときは、借方の勘定科目は「売掛金」、貸方の勘定科目は「売上」と決められています。取引先の企業名や商品名も明記するため、顧客からの問い合わせや返品時に活用できるのも特徴です。
伝票の作成方法
伝票の作成方法には、次のようなものがあります。
- 手書き
- エクセル
- 電子化
- 外部委託
手書き
伝票は手書きで作成できます。ただし、伝票を記載するときは必ずボールペンを使用しましょう。伝票には正確性が求められるため、書き直しや改ざんを防ぐために消えないボールペンを使います。
また書き間違えにより修正するときは、二重線で消して訂正印を押すのが一般的です。修正テープなどは使用しないようにしましょう。さらに、伝票は1枚ずつ伝票番号が振られています。たとえ作成に失敗したとしても破棄せず保存するのが基本です。
エクセル
エクセルで伝票を作成するのもひとつの方法です。テンプレートを用いて伝票を作成しますが、複数の種類があるので目的に応じて選びばしょう。エクセルで伝票を作成した場合は、書き直しや改ざん防止のために印刷するのが一般的です。
エクセルで伝票を作成するメリットは、追加料金をかけずに無料で利用できることが挙げられます。また帳票フォーマットがあれば、帳票入力を自動化することも可能です。帳票入力の自動化により、業務効率を向上させられる可能性もあります。
電子化
エクセルを使用すれば、電子化した伝票を作成することも可能です。伝票の電子化により、保管スペースやコストを大幅に削減できます。また、大量の伝票の中から必要なものを検索しやすくなるため、検索性を向上することが可能です。
また、エクセルで作成した伝票を適切な方法で管理しておけば、火災などの災害が発生しても紛失を防げます。電子化するためには条件を満たす必要があるので、事前に確認しておくことが大切です。
外部委託
企業間での取引が多くなれば多くなるほど伝票作成は煩雑化します。担当者の負担を減らすためにも、経理業務を外部に委託するのもおすすめです。規模の小さい企業でも、限られた人材で業務を回すのが困難である場合もあるでしょう。
新しい人材を確保するより、外注した方が費用対効果が高いことも多いです。ただし、外部委託するには費用がかかります。委託業者は複数あるので、見積もりを依頼して比較検討しましょう。
効率化を目指すならツールを利用しよう!
企業間での取引が多くなれば多くなるほど、大量の伝票作成が発生します。限られた人材で伝票作成を行うには、業務を効率化することが求められます。伝票作成の効率化を目指すなら、伝票作成ツールをうまく利用することが重要です。
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